騎手

騎手(ファンティーノ)

  騎手は、馬の所有者が信頼する騎手、もしくは前年度のパリオの騎手たちの中から選ばれます。騎手たちは、パリオの規定に則り、騎乗を任命されたときに備え常に準備をしていなければいけません。

 また、パリオの騎手たちは本名ではなく、通称名(あだ名)で呼び合うことになっています。

 

 世紀をまたぐ伝説のパリオ騎手たち

1600年代 PAVOLINOパヴォリーノ(1653〜97年にかけて14勝) 本名RONCUCCI PAVOLO

1700年代 BASTIANCINOバスティアンチーノ(1759〜79年にかけて15勝) 本名MANCINI MATTIO

1800年代 GOBBO SARAGIOLOゴッボ・サラジョーロ(1823〜53年にかけて15勝) 本名SANTINI FRANCESCO

ゴッボが初優勝した当時の13歳8か月は現在も最年少優勝記録

1900年代 ACETOアチェート(1965〜92年にかけて14勝) 本名DE GORTES ANDREA

2000年代 TRECCIOLINOトレッチョリーノ(2000〜2012年にかけて10勝※1900年代に3勝) 本名BRUSCHELLI LUIGI

 

  パリオ当日の早朝、シエナの大司教がカンポ広場の礼拝堂にて騎手たちのミサを行い、その直後に最後の試走“プロヴァッチャ”が行われます。午後には、各地区の教会はコントラーダの人々で埋め尽くされ、パリオ本戦前の最後の儀式が行われます。

 静寂の中、神父が出走馬と騎手の神のご加護を願い、最後にこう告げます。

           “Vai e Torna vincitore”

           “行きなさい。そして勝者として戻りなさい。”